エステティシャンの活躍の場

7.介護予防 × エステティック

 近年、エステティシャンの活躍の場も広がってきており、従来のエステティックサロン以外でも様々な場所でエステティックサービスが提供され、社会に役立っています。その中でも近年注目が集まってきている場所で、「どのようにエステティックが提供されているか」のお話を聞いてきました。

伊藤 さやかさん
Boudoird’ Art Esthetique

日本エステティック協会認定エステティシャン取得後、大手サロンに入社。技術と結果を追求し、日本エステティック業協会認定講師も取得。退社後は東銀座でトータルエステサロン「Boudoird’ Art Esthetique(ブドワダールエステ)」にて“健康美”を軸にした施術を展開。
その後、CODES-JAPONソシオエステティシャンを取得。
エステは単なる美容ではなく、尊厳や自己肯定感を守るケアであると確信し、介護予防としてのシニアメイク講座や認知症カフェ活動にも注力している。

    ソシオエステティシャンとして、日々どのようなお仕事をされていますか?

     私はソシオエステティシャンとして、医療・介護の現場でのケア活動や、介護予防としてシニア向けメイクワークショップ、セルフケア講座などを行っています。また、特定非営利活動法人ソシオキュアアンドケアサポートの活動にて、三宿病院の認知症カフェにハンドトリートメントの活動等も行っております。

     シニアメイクのワークショップでは「年齢を重ねても美しさを楽しめる」という体験をお届けしています。

     外見を整えることは、単なる美容ではなく“自分らしさを取り戻す時間”になります。認知症カフェでは、手に触れながらゆっくりと会話を重ねます。美容という枠を超え、その人らしさに寄り添うケアを通して、その方の笑顔や会話、前向きな気持ちが引き出される瞬間に立ち会えることが、私の大切な仕事です。

    なぜソシオエステティシャンになろうと思ったのですか?

     中学の時の福祉活動にて、手に触れただけで、笑顔が生まれました。その経験から、エステティシャンを目指し、エステティシャンとして活動する中で、「美しさ」は外見だけではなく、その人の人生や尊厳に深く関わっていると感じるようになりました。

     病気や加齢、環境の変化によって、自信を失ってしまう方が多くいらっしゃいます。そんな時に、ソシオエステと出会い、エステやメイクの力で表情が明るくなり、背筋が伸び、言葉が前向きに変わる瞬間を何度も見てきました。

     美容の力は、心を支える力になる。その想いから、医療や介護の現場でも活動するソシオエステの道を選びました。

    医療・介護の現場で、ソシオエステティシャンはどのような役割を果たしていますか?

    医療や介護の現場には、治療や生活支援という大切な役割があります。
    その中でソシオエステティシャンは、「心の潤い」「その人らしさ」を支える存在だと感じています。
    例えば、

    • メイクを通して社会とのつながりを感じてもらう
    • トリートメントで触れることで安心感を届ける
    • 会話の中で自己肯定感を取り戻すきっかけをつくる

     私たちは治療をする立場ではありませんが、“心の栄養”を届ける役割を担っています。多職種のチームの一員として、QOL(生活の質)向上に貢献することが私たちの役割です。

     医療や介護の現場で、エステティシャンのどのような力が役立っていると感じますか?

    外的な施術だけではなく、コミュニケーション力など心理的なケアも役に立っております。
    例えば、

    1. 触れる力(タッチング)
    2. 安心感やぬくもりを伝える力。
    3. 美を引き出す力
    4. その人の魅力を見つけ、引き出す観察力。
    5. 自己肯定感を高める力
    6. 「まだキレイになれる」「まだ輝ける」と感じていただく体験づくり。

     特にシニアメイクのワークショップでは、鏡を見た瞬間に涙ぐまれる方もいらっしゃいます。「もうおしゃれなんて」と思っていた方が、 「外に出たくなった」と言ってくださいます。

     それは、美容が“生きる力”につながった瞬間だと感じています。美容は贅沢ではなく、人が自分らしく生きるためのケアだと、私は感じています。

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