第13回エステティックグランプリの大会報告をご紹介しております。
第13回大会総括 (6代目理事長 遠藤 友子)
第13回エステティックグランプリ総括・・・大会テーマ「共育」
本日は、第13回エステティックグランプリ、グランプリファイナルにご来場いただき誠にありがとうございます。
朝早くから準備をし、素晴らしい技術と取組みを披露してくださいました選手とモデルの皆様、その技術を公平かつ厳正に審査をしていただきました審査員の先生方、ありがとうございました。
そして、エステティックグランプリの理念に賛同いただきエントリーしてくださいました1048のエントリーサロンとエステティシャンの皆様。
日頃から多大なるご支援をいただいているサポーター企業の皆様、
たくさんの学びを提供くださいます学校関係者、他団体の皆様はじめ、
エステティックグランプリは本当に多くの皆様のお力添えのおかげで、本日この東京国際フォーラムで13回目のグランプリファイナルを開催することができました。
理事・実行委員を代表して心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
エステティシャンを輝かせる!
エステティック業界を盛り上げる!
13年前の第1回以来、エステティックグランプリは常にこの二つの想いを忘れずに開催して来ました。エステティシャンの仕事はお客様を輝かせることです!
エステティシャン自身が主役となり、スポットライトを浴びて輝く機会は、ふだんの仕事の中ではほとんどありません。
そうした中、「エステティシャンに輝くステージを提供したい」という想いから生まれたのが、エステティックグランプリです。
本日のグランプリファイナルに出場したファイナリストはもちろん、このステージに向けて全国の各サロンや多くのエステティシャンが技術・接客スキルを向上させようと、それぞれに努力してきました。
見事に賞を獲得した方々はもちろんのこと、この日のこの舞台を目指してがんばって来られたすべての皆様が、この大会の主役です。
惜しくも賞を逃した方、グランプリファイナルへの出場を果たせなかった方々も、来年のグランプリファイナルの場で活躍しているかも知れません。そして、そうした努力を積み重ねることがエステティック業界全体に技術・サービスの質向上をもたらし、より一層お客様を輝かせることにもつながります。
ここ数年で、世の中は大きく変わりました。
3年に渡るコロナ禍では人と会うことすらもままならず、テレビをつければ「不要不急」という言葉が聞こえてくる中でエステティック業界も大変苦しい状況に立たされました。
いくら腕を磨いても、感染対策をしても、お客様に来ていただけない。
来ていただけたとしても、マスクでお互いの表情が見えず、本当にお客様の気持ちを汲み取れているのか不安になる。そうした日々に、皆様大変つらく歯がゆい思いをなさったことと思います。
終わりの見えないトンネルの中にいるような日々でしたが、かすかな希望の光もありました。
それは「お客様がサロンに来てくださるから」と、賢明に働くエステティシャンの姿です。
リモートワークでガチガチに固まった体と心をほぐしてあげたい。
極限の緊張状態の中、医療現場で、がんばってくださっている医療従事者の方を、なんとか癒やしてあげたい。
つらく苦しいコロナ禍でしたが、懸命に働く皆様の姿に心を打たれ、エステティシャンという仕事の意味や価値に改めて気づくことができました。そして、エステティックは究極のホスピタリティーであると確信を持ちました。
「夢や誇りを持ったエステティシャンが日本を美しくする」とありますが、本当にエステティシャンの皆様からたくさんのものを与えていただきました。
この素晴らしいエステティックという仕事を、必ず未来に繋げていきます。
13期のテーマは、「共育」としました。教え育てる『教育』ではなく、共に育つ『共育』です。
現在のエステティック業界の課題のひとつに、「人財確保や育成」が取り上げられます。
人を育てるためには、先輩もオーナーもサロンも一緒に成長していかなければならならないと思っています。人もサロンも企業も、教え育てる教育から、「共に育む」という考え方が必要であるという思いから今期は、「共育」をテーマに掲げました。
現在の社会情勢は、日々変わっています。想定外のできごとが起き、
私達の日常や社会、エステティック業界にも大きな影響を与えていきます。
こうした変化に対応していくためには、変化に対応する力をつけながら、能力を高めていかなければなりません。
エステティックグランプリをきっかけにこの仕事に携わる皆様が個々の能力を高め、業界の方々と手を取り合い共に育っていくことで、エステティック業界全体がより良いものになっていけばと願っています。
一人ひとりの力は決して大きくありません。ですが、多くの方々と協力し、共に育っていけたなら、成し遂げられないことはないと信じています。
本日グランプリファイナルで見ていただいたエステティシャンの技術、所作、モデルに対する思いやり。
その一つひとつすべての完成度が高く、美しささえ感じさせてくれる見事なものでした。
大会にかける強い想いだけでこのレベルに到達できるものではなく、ここに至るまでには多くの壁を乗り越える強い信念と、たゆまぬ努力が必要だったと思います。
目標としてきた本日の舞台では、その力を存分に発揮し、多くの方々に感動を与えました。
そして私がとてもうれしく感じたのは、
出場者をサポートするためにこの会場に来た皆様、
客席にも多くいらっしゃるエスティシャンと学生の皆様が、出場者の技術や所作から学び、自分の成長につなげようとしていたことです。
競うだけでなく、そこからお互いに何かを学び取ろうという姿勢こそ、私たちが目指す、「共育」です。
共に学び、共に育ち、次のステップを目指していただければこれほどうれしいことはありません。
最後に、少しだけ私自身のことをお話しさせてください。
私は26年前に自社のサロンをオープンしていました。
2011年 第1回のエステティックグランプリが開催されたのはオープンから13年目のことでした。
もちろん何か賞をいただけるとかそうしたことは考えていませんでしたが、すでに十分な技術と経験があると考えていた私は、すべてがうまく行っていると高を括っているところがありました。
ですが、社員の離職率は常に高く、気が付けばいつも面接をしている状態。
何が悪いのか、なぜ夢を抱いて入社してきた社員が離れていくのか、まったくわかっていませんでした。
そんなときにエステティックグランプリと出会い、全国のサロンオーナーの皆様と話をする中で本当に多くのことを学びました。そして、自分と社員の仕事の進め方や考え方のずれを少しずつ理解できるようになりました。
そんなときに起きたのが、東日本大震災です。
何か少しでも役に立てるなら!と、宮城県で行うエスグラのボランティアエステに参加しました。
夜中の12時にバスで東京駅を出発し、翌朝石巻に到着。
津波で何もかもが壊され、流された港や街の姿に言葉を失うばかりで、
長年地元で暮らしていた方々の痛みは計り知れません。
そんな光景を前にして、「衣食住にもお困りの方々に、エステで役に立てるのだろうか?」「私なんかでいいのだろうか?」 疑問と不安の気持ちでいっぱいになりました。
避難所の一つだった体育館の一角で持参したバスタオルを床に敷いて、フェイシャルと全身のマッサージを行いました。
緊張と恐怖でかたまった皆様の身体を少しずつ、ゆっくりとほぐしていくうちに、皆様の身体だけでなく、私自身の心も穏やかになってゆくのを感じていきました。
エステティシャンとして一人前のつもりでいた私ですが、お互いの心が通い合うような感覚を、
あのときほど実感したことはありませんでした。
お手入れをし終わると、涙を流して感謝を伝えてくださる方もいらっしゃいました。
皆様の身体をほぐして差し上げなければと思っていたのに、私たちの心が優しく温かくなっている。
エステティックには、人を癒す力がある!
エステティックは、生きていく力になる!
そう強く感じました。
この経験を通してエステティックの素晴らしさを改めて知ったときから、私のサロンも変わりはじめました。
それまで無意識のうちに持っていた過信や自分のやり方へのこだわりから解放され、
もっと純粋にエステティックに取り組み、人を癒し、輝かせることにまっすぐに向き合う姿勢を持てたからだと思います。
エステティックグランプリに出会ったことで、仕事だけでなく人生に対する考えも大きく変わり、私自身、成長することができました。
今は運営する立場におりますが、エステティックグランプリに心から感謝し、微力ながら恩返しをしていければと考えています。
今年の一月、エステティックグランプリ実行委員とエスグラビジョン会議を開催しました。
「どんなことをしたら、私たちが目指す業界にできるのか?」
「エスグラの役割は何なのか?」
「真っ白な白紙の状態からもう一度考えましょう!」と、丸1日かけて話し合いました。そして、
勝手にミッシュラン エステ版
エステティックグランプリ世界大会
サロン専用の商工会議所
ユニークなものをはじめ、たくさんの素晴らしいアイディアが出ました。今すぐ実現できるかと言うと難しいものもありますが、知恵を出し合うことで多様性のあるアイディアが生まれるということに、大きな可能性を感じています。
ビジョン会議で出たアイディアをひとつずつ実現できるよう、またエステティックグランプリがこれからさらに10年、20年と続いていくよう、私自身、成長と進化を続けていく覚悟でおります。
今期が始まった昨年の6月、コロナ禍の余波と、物価高騰の影響もあり、業績が苦しいだけでなく閉店を余儀なくされたサロン様もありました。
理事長という大役をいただいたにも関わらず思うような運営ができない時期もありましたが、いつも未熟な私を支え、共に活動してくださった理事・実行委員の皆様、共に応援してくださるサポーター企業とその社員様、
この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
お忙しい中ご来場くださいました皆様、第13回エステティックグランプリ開催に関わってくださったすべての皆様にいま一度感謝申し上げ、総括とさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
概算収支報告
(単位:円)
収入 | 支出 | ||
---|---|---|---|
実行委員会費(172名) | 3,597,000円 | モニター調査費 | 4,068,000円 |
エスグラ会員 会費(226名) | 2,266,000円 | 広告宣伝費 (広報・印刷・ガイドブック・WEB サイトなど) |
2,482,000円 |
エントリー費 | 9,593,000円 | 委員会費 | 2,008,000円 |
来場チケット ・グランプリファイナル ・エリアファイナル |
3,472,000円 | 会議費 (会議室・理事会交通費・活動費など) |
6,533,000円 |
サポーター協賛 ・オフィシャルサポーター ・エリアファイナルサポーター |
33,764,000円 | 大会イベント費 (本大会・エリアファイナル・会場・演出・設営・備品など) |
13,696,000円 |
勉強会参加費 | 419,000円 | 勉強会運営費 (会場・講師・備品など) |
1,397,000円 |
物販(テキスト販売) | 700,000円 | 運営費 (事務局費・外部委託費・送料・交通費など) |
15,185,000円 |
その他 | 255,000円 | その他 (雑費・慶弔費・手数料・税金・社会保険料など) |
4,137,000円 |
小計 | 54,066,000円 | 小計 | 49,506,000円 |
合計 | 4,560,000円 |
※余剰金は次回大会へ繰越し